ひょうごコミュニティビジネスフォーラム(2013/10/12)

テーマ「目指そう 起業家 先例に学ぶ!」
2013年10月12日(土) 神戸国際会館セミナーハウス 14:00~17:00

第1部 基調講演 14:10~15:40
「コミュニティビジネスで地域を変える、社会を変える」
<講師>
伊賀の里モクモク手づくりファーム
代表取締役専務 吉田 修 氏
・NPOは事業と運動の両立が大事。運動がないと営利だけになる。
・最近の人材は、頭はいいけど、心が読めない。事業には消費者の心を読む力が必要。
・ファンクラブ組織・・・会費無料、入会時に2000円(一定期間利用がないと退会)、完全無料ではなく入会金を徴収することで参加している自覚を持ってもらう
・第6次産業が重要(加工品)

六次産業化 【ろくじさんぎょうか】

知恵蔵2013の解説
第一次産業である農林水産業が、農林水産物の生産だけにとどまらず、それを原材料とした加工食品の製造・販売や観光農園のような地域資源を生かしたサービスなど、第二次産業や第三次産業にまで踏み込むこと。今村奈良臣・東京大学名誉教授が提唱した。当初は1、2、3を足し算して6としていたが、一次産業がゼロになったら結局ゼロにしかならないという意味で掛け算に改めたという。
農林水産業の六次産業化の推進が叫ばれた背景には、加工食品や外食の浸透に伴って消費者が食料品に支払う金額は増えてきたものの、それは原材料の加工や調理などによって原料価格に上乗せされた付加価値分が増えただけで、農林水産物の市場規模はほとんど変わらなかったことがある。付加価値を生み出す食品製造業や流通業、外食産業の多くが都市に立地し農山漁村が衰退していく中、農家などが加工や販売・サービスまで行って農林水産物の付加価値を高めることで、所得向上や雇用創出につなげることが目指されたのだ。
このような考えは、各地で実践を伴いながら広まりつつあり、農業経営などが多角化するだけでなく、商工業の事業者と連携する動きもある。こうした動きを後押ししようと、2008年に「中小企業者と農林漁業者との連携による事業活動の促進に関する法律(農商工等連携促進法)」が制定されたのに加え、10年には六次産業化法(正式名称は「地域資源を活用した農林漁業者等による新事業の創出等及び地域の農林水産物の利用促進に関する法律」)が成立。六次産業化が、一次産業の振興や地域活性化を図る方策として進められている。
( 原田英美  ライター )

・消費者は1時間に1000円使う。3時間滞在してもらうことで客単価を3000円にする。
・農業体験・・・田植えは手でなく機械で、稲刈りはカマではなくコンバインで→本物をすることで、農業を目指すことになる(手でやるとしんどいので誰も農業をやりたがらない)
・コーディネーターからのまとめ・・・従業員を大切にしている、ビジョンとアイデアの重要性→事業と運動の両立、遊び心
【感想】
話がおもしろいのは当たり前。参加者の中に、この話の中からビジネスにつながるヒントを得た人はどれだけいるのかという思い。多くのヒントが隠されているのに、そのような視点で見る人がいただろうか。変な質問もあった。
ポイントはこの会社のビジネスモデルは会員制モデルだということ。不特定多数ではなく、限られた会員を対象としたサービスを成功させることが、これからのビジネスモデルではないのか。そうすると、いかに会員を獲得するのか。会費で収益を上げるのか、会員対象のサービスで収益を上げるのか。会員ビジネスは、詐欺で破綻した安愚楽牧場も原点は同じように思う。会員ビジネスを拡大していく中で、加工品などにも手を出したが、最終的には牛肉の商売がうまくいかなくなり、無理に自転車操業をしてしまったもの。だますつもりで商売を始めたのではないと思うが結果的にだますことになってしまった。会員ビジネスは提供するサービスがうまくいかなくなったときは一気に転落していく。「らでぃしゅぼーや」も「有機野菜」という商品を信仰?している会員がいるからこそ成り立つ。ほかの有機野菜サービスで破綻したものも。FAX会員サービスのUワールドも会員がショップの商品を日常的に買っているからこそお金が回っている。円天のように一旦信頼が崩れたら一気に破綻する。会員ビジネスとは失敗すれば無残なものである。経営が単純に利益に走るのではなく、会員のためのサービスを充実させて満足度を得て維持し続ける努力が必要である。
今回のフォーラムはコミュニティビジネスやソーシャルビジネスという、いわばNPO法人の会員ビジネスに近いモデル。身の丈にあう会員制サービスのビジネスモデルを作り上げることが自分自身のテーマ。自分の方向性は間違っていないと感じた。

第2部 パネルディスカッション 16:00~17:00
<パネリスト>
NPO法人 ホームドア 理事長 川口 加奈 氏
株式会社キャリア・マム 代表取締役 堤 香苗 氏
NPO法人 石倉企画 理事長 苦木 隆幸 氏
<コーディネーター>
日本政策金融公庫総合研究所 主任研究員 藤井 辰紀
【自分なりにまとめ】
・ホームドア・・・学生時代に立ち上げ、ホームレスとの信頼からビジネスにつなげた。先を考えずに勢いで事業を始めた形。マスコミ等をひきつけ、話題性もあり、自転車問題という行政的な課題も巻き込むことができるようなビジネスモデルになった。これからの発展性次第。
・キャリア・マム・・・会員ビジネス。女性のキャリア問題という身近な問題を解決したいという思いから活動が口コミで広がったビジネスモデル。事業を拡大していく中でどれだけ収益を確保できるかが課題だと思う。
・石倉企画・・・少し異質な感じ。利益追求ではなく地元の活性化が主目的。行政を巻き込んで指定管理を取れたので回るビジネスモデル。ボランティア色が強く、私の目指すものとは違う。

コーディネーターのコメントとまとめがとても勉強になった。経験からビジネスに対する見る目があり、しっかり評価できる人物。ぜひ、ビジネス相談してもらいたいと思うぐらい。
【概要】
コミュニティビジネスの最大の課題は『収入の確保』である
なぜなら、コミュニティビジネスは売上が小さい分野である≒ビジネスになりにくい分野
安易に儲かるなら、営利企業が来る

選択肢は2つ
・それでもビジネスで収入を得る
・それ以外の方法で収入を補う

正しい思い、楽しいことで人が回り続けるのは、1年に1度のチャンスしかない。
→「おもしろいこと」にしなければならない。1回は義理できてくれるが2回はない。
・周囲から信頼されることが重要。

「ミッションや思い」で活動を継続するのは難しい
①活動に共感してくれる仲間・・・協力共感、ぶれない理念
②広い視野と柔軟さ
経営・マネジメントの視線

【感想】
NPOは儲けてはいけないという誤った気持ちを持っているから「収入の確保」に無頓着になってしまっていると思う。NPOは営利活動で利益を確保し事業を継続していく必要がある。利益を株主に回すのではなく自らの組織に回すのが特徴。それを誤解しているところがNPOのだめなところで、「経営・マネジメントの視線」が欠如していると思うこと頻繁。ボランティア精神だけでは維持できないのが組織。NPOの最大の弱点だと思う。

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