TOSS兵庫 体育実技TOSSデー 明石会場 (2010/11/3)

TOSS(トス:Teacher's Organization of Skill Sharing(教育技術法則化運動)の略)とは、向山洋一を代表とする、教師の教育技術についての方法(=指導法)を提唱する集団、及びその活動である。(ウィキペディアより転載)

要するに、それぞれが持っている授業の技術を誰もが実践できるように検証し、マニュアル化したものです。
私がTOSSを知ったきっかけは、書店で見た「楽しい体育の授業」という月刊誌で、1年ほど購読していました。
本の内容は、子どもの意欲を引き出す仕掛けなど、指導者としてとても参考になりました。
そこからヒントを得て、実際にサッカー教室で実践したこともあります。
また、実際に授業を実践する「TOSSデー」が全国で開催され、兵庫県でも、体育の実践があることを知りました。
兵庫県での体育実技TOSSデーは主に西明石の小学校が明石会場として開催されており、基本的には教師が対象ですが、3年前の5月と10月に参加させてもらいました。その後は、日程が重なっていけませんでしたが、今回、タイミングよく行けることになりましたので当日参加しました。
参加者は12人ほどです。
メニューは以前参加したものと重複しているものが多かったのですが、実際にはバリエーションが違ったり、全く新しい発見があったりして面白かったです。ぜひ、やってみたいメニューもあり、とても勉強になりました。
参加費は以前は2000円だったのですが、行ってみるとなんと500円だったのでうれしかったです。
また、なわとび(スーパーとびなわ)700円(割引で500円)も購入しました。
以前は体育館での実技でしたが、今回は運動場でした。

内容は10-15分間の講座が9講座あり、14時開始で16時30分終了です。
テキストに詳しいポイントが書かれており、その中から抜粋して実技をします。

講座1 縄跳びブームが学級で起きる短縄指導 縄跳び級表となわとびリレー(10分)
・かけあしとび10回できたら座る→後ろかけあしとび10回できたら座る→前とび10回できたら座る
・全員が終わるのを待たずに8割ぐらいの人数で次のメニューに移る。
※このTOSS式なわとびは陸上教室でも実践しています。
・2人組になる・・・なわとび1本で手をつなぎ3回とぶ→向かい合わせになり3回とぶ→2人とも前向きになり後ろがなわとびを回して3回とぶ→背中合わせになって3回とぶ
※背中合わせは難しかった。2人組なわとびは面白いので教室でも応用できないかと考えています。
・2重とびリレー・・・チーム対抗で失敗したら次の子どもがとぶ→チーム対抗やリレーにすると子どもは必死になる
・長なわ八の字連続とび・・・長なわを長いまま回すと入りにくくなるので近づいて短い距離にするのがポイント
・14人でやったが連続30回ぐらいで止まる
・男女7人づつに分かれて連続挑戦→男子チーム100回達成
・授業では下手な子どもが失敗して攻められることがないように、10人程度の上手な子どもで見本を示しながら、どのようにとんだらいいのかを指導する。

講座2 低学年の子が熱中する運動場にある遊具を使った基本の運動(10分)
・登り棒の前に4列で集合
・1番前の列から登り棒に3秒捕まる→2順目は5秒→3順目は10秒
・みんなで数を数える、数え方にフェイントを入れたり数え方を工夫すると面白い
・ジャングルジムの前に4列で集合(10m程度の距離)
・ジャングルジムの一番上にタッチして戻ってくるリレー
・特に低学年はリレー好き
・校庭にある遊具を利用することで基礎能力をつける
・正しい遊び方を教えておくことが重要
・ろくぼく上がり下りは6年生でも楽しい。片手でとか制限を加えると面白い。

講座3 誰でも成功体験が得られるくるりんベルトを活用した指導法(10分)
・「くるりんベルト」というベルトを腰に巻き端を鉄棒に巻いて回る。
・鉄棒とおなかとの距離を遠くしていきレベルを上げる。
・鉄棒ができない子を前提として使わなかったため、いまいち分からなかった。

(10分休憩)

講座4 運動に線を引いたり、コーンをたてなくもいい 準備の時間0分 すぐにできる折り返し持久走(10分)
・6人づつ2列に並び、最初に走る人とチェックする人でペアを組みます。
・最初に15秒でちょうど折り返してこれるような場所に自分でなわとびを置きます。
・スタートラインから一斉にスタートし、同じペースで折り返し、もとのスタートラインを越えてペアの人をぐるっと折り返し、再びスタートラインを超えて走り出すというものです。スタートラインに戻ってからスタートラインを超えるまでに15秒の笛がなり、その範囲にいればポイントです。その範囲だけスピードを緩めるのはダメです。試し走をやってから本番です。
・本番は2分でしたので8点満点です。
・実際の授業では5~10分やることもあります。汗いっぱいになるそうです。
※結局、折り返し点が同じような場所になるので面白みに欠けるかなと思いました。

講座5 どのクラスでも何年でも熱中した向山型サッカー指導法(10分)
・まず、ウォーミングアップがてら、30m四方の白線の周りをドリブルをしながらぐるぐる回ります。
・途中から、ボールを奪いに行く人が現れます。とられたら終了です。上手い子は上手い子からとるように説明します。
・さて、本番は私もサッカー教室で実践したことのあるメニューです。
・コーン2本ででゲートを距離別に作り、けってゲートの間をとおれば遠い距離にチャレンジできます。
・やわらかいボールでしたので、なかなかまっずぐにはとばず難しかったです。
・たくさんゲートを並べることのできない狭いグランドの工夫として、距離の遠いゲートが終われば、一番近いゲートの場所の奥にゲートをもうひとつ置いて2つのゲートを通過させるという効率的な方法もあります。

講座6 男女の仲がよくなり、クラスがまとまる長縄指導(10分)
・長なわの8の字連続とびです。12人いましたのでぐるぐる回ります。
・回しては長いままだと意外に子供には難しいので短めに持ちます。本当は間をおかず連続とびです。
・とんだ人はすばやく回り込み反対側からとびます。先頭が途切れないようにとびます。
・100回続けば万歳です。
・12人では40回ぐらいで引っかかりました。そこで、男女別に分かれます。
・男子組は100回クリアしました。
・子どもたちには上手い子10人ぐらいを選抜して見本を見せてイメージを持たせてから練習を始めたほうがいいとのことです。

(10分休憩)

講座7 意図的な動きを指導できるポートボール指導(15分)
・12人を4人づつ3チームに分かれます。
・分かれるときに3箇所ほど遊具の指定した場所にタッチしてきて戻ってきた順番にチーム分けします(対直が均等になる)。
・4人対4人のポートボールをしますが、ゴールとゴール前の人は固定せず誰が入ってもOKで全員でやります。点数を入れた子どもは点数板をめくりに行きますが、その間もゲームを進んでいるので点を入れられたほうがしばらく有利になります。
・待っている子どもは紙に「心電図」を書きます。心電図とは4人のゼッケン番後を1行づつ書いて、パスを出した人を○で書き、渡した人へ線を引き、ドリブルで波線を引き、シュートでSを成功すればSを○で囲むという、サッカーの解説で線を引いているようなものを作ります。2人でペアになり1人が実況しながらもう一人が書きます。これは難しいです。

講座8 苦手な女の子でもできるベースボール型ゲーム並びっこ(15分)
・最後の実技は野球型のゲームです。12人を6人づつに分けました。ピッチャーだけを決めてあとの5人は好きな場所に散らばります。
・ボールを打つのは簡単なパターンから難しいパターンまでバリエーションがあります。一番簡単なのは、大きいボールをホームベースにおいてけります。発展は、ピッチャーが大きいボールを転がす。ティーボールでボールをホームベースにおいてテニスボールをテニスラケットで打つ。プラスチックのバットで打つ。女子はより簡単なパターンで。など。
・走塁は1塁まで走ってホームベースに戻ってきます。女子は近め。
・守備は。ボールをノーバウンドで取ったらアウトになり、それ以外のときは、最初にボールをつかんだ人がその場にすわり、ピッチャーを含めた残りの守備が、その人の後ろに並び全員座ればOKで、走者がホームに戻ってくるのと競争です。
・これは、かなろ面白かったです。意外に奥が深いです。ぜひやってみたいです。

(10分休憩)

講座9 大好評!体育授業のことから、学級経営まで何でも答えます。(15分)
・教室に戻って質疑応答です。私も質問しました。いくつか紹介します。
・ハードル走のコツは?→抜き足が大事で、横から回すようにすれば跳びやすくなることを指導。
・陸上向けのなわとびのメニューは?→アキレス腱をきたえるために二十跳びしながら前へ進む(4-6年生)

まとめ
すでに2回参加しているので、同じメニューが多く、どうかな?と思っていましたが、同じメニューでも新しいパターンや新しい発見があったのでよかったです。前は30人近く参加者がいたので少なかったのは残念でした。一般参加は私だけだけでしたが、ほかの参加者からは教師と思われてたでしょうね。小学校の先生は体育だけでなく全教科やらなければならないので大変ですね。
次回は5月3日に実施予定ということです。