ユーハイム・スポーツフォーラム2010 (2010/11/6) その1
11月6日(土)12:30~17:30、神戸学院大学ポートアイランドキャンパスで開催されたユーハイム・スポーツフォーラムについて報告します。
内容は基調講演90分、実技50分、実践報告90分です。
ユーハイムはお菓子の会社ですが社長がスポーツに熱心なことからユーハイムスポーツ財団を設立し、スポーツ活動を支援しています。
スポーツには良い指導者が必要で、学んで欲しいということで、ドイツのライプチヒへ公募者をへ派遣しています。
その派遣者の報告を兼ねてフォーラムが開催されています。
会場で配布された資料がユーハイムのHPにUPされているので参考にしてください。
また、基調講演については、資料のパワーポイントのスライド順に説明します。
財団法人ユーハイム体育・スポーツ振興会 http://juchheim-sport.com/
スポーツフォーラム2010レジュメ (2010-11-16・884KB) http://juchheim-sport.com/public/_upload/type017_69_2/file/file_12898942321.pdf
なお、ノートのメモや記憶などを参考に書いていますが、定かでなかったり間違っていたり意味不明であったり文字の羅列であったりしますがご了承ください。
基調講演
昨年に引き続きハラルド・ポルスター先生です。
テーマは「ターゲットに応じたコオーディネーショントレーニング」です。
ドイツ語ですがコレスポの高橋さんによる同時通訳です。
今回は「ターゲット」、何を狙いにするのか
サイコモーター系コオーディショントレーニング(PMKT)の応用領域と実施効果について
サイコモーターとは、心理運動・動き
コオーディネーションの応用領域について
競技スポーツ/プロスポーツ → これを舞台にしてコオーディネーショントレーニング(以下KOTとします) が開発・発達してきた。60-70年代に現場に浸透してきた
コオーディネーションエクササイズ・トレーニングはほかの領域でも応用できるのでは(学校スポーツなど)
就学前スポーツ/学校スポーツ → 80年代にケガや故障、すぐ転ぶなどの問題が背景
リハビリスポーツ/セラピースポーツ → そのほか、障害者がパラリンピックでより高い成績を求めてトレーニング
シニアスポーツ → 今回は時間がないので省略
【スライド1】
運動・動くもと
教育学(何かに限ったものではない)
コオーディネーション(以下KOとします)は競技スポーツだけでなく、ほかの領域に応用可能
4つの概念・・・日本語に訳しにくい
1.社会系(性)動作(ソシアルモーター)
2.心理系動作(サイコモーター) → 今回説明していくもの
3.感知系動作(センサーモーター)
4.神経系動作(ナーヴァルモーター)
→ポルスター先生が学生のころから日常的に使っていた概念
【前回の復習】
歴史的な経緯
[トレーニング科学/トレーニング実践] →一体のものとして発展してきた
コンディション 可動性 →これらについては今後も可能性がある
KOT ←↑この間に何かがある
トレーニングシステム
エネルギー アビリティ
持久性 筋肉
ちから 関節
スピード性
運動科学
KO能力1 KO能力2 KO能力3 KO能力? ・・・システムをいろいろ提唱→いくつ有用か効率的かで数が決まってきた⇒これらは能力という概念に集約される
能力
可動性 ちから 持久性 スピード
【スライド2】
・KTは最高に位置している形態である。このことを理解した上でのトレーニングである
・日本では1つのメソッドをいろいろな領域に応用できると考える人がいるが、正しくない
・KO能力はいろいろな領域に応用できるのは事実であるが、そこで要求しているものは何か、特性に応じてトレーニングしなければならない。
・トレーニングの方法は、それぞれによって違う
【VIDEO】 幼稚園でのPMKT ⇒いろんな動きを応用できる
幼稚園から小学校に上がったら、授業中に集中できないという問題を抱えている
30年前先生の友人が「幼稚園の中での小さなケガや動きが鈍い」というのを調査
→いろんな動きをすればいいのでは、という解決策が成果をおさめた
ねらい
前提
・「前提」として、KO能力があれば早く習得できる
・指導現場で子どもの能力差がある
・タレント発掘・・・KO能力に優れていればタレント能力も高い
→KO系の動作テストが重要視されている
コンディション系のテストばかりで何が分かるのかという疑問があった。長野県で今年になって取り入れられた
KO系の能力がまさに基準
これを調べない限りタレントは発見できない
調和
・そういう意味で「調和」、テクニックの調和を図り、関連付ける
・日本は「ハード」なトレーニングが多い→オーバートレーニング(負荷が高すぎるのでは)
・競技スポーツでは「バランス」が技術の習得に役立つことを理解しなければならない
・ドイツのハンドボールの練習では、4~5回/週の練習のうち、2~3回は競技種目のルールや特性を取り入れたKOTを実施している
・ワールドカップサッカーでもドイツのナショナルチームの選手が若返った
転換
・潜在能力を技術に「転換」する ⇒ これがKOT
(例)筋骨隆々→コンディション能力にかたよっている→競技能力に「転換」できていない⇒KOT
エネルギー系(ちから・スピード・持久力)を→パフォーマンスへの転換にうながしていく
維持
・感知系動作(センサー系モーター)でケガの予防に役立つ
コンディション
・KOTは何かという質問を受ける
一言で言うと
具体的には、頭を使う動き、常に考える動き、考えさせる動き
自己の体とコミュニケートできる