ユーハイム・スポーツフォーラム2010 (2010/11/6) その4

実践報告
2010年2月26日から3月7日までライプチヒでの国際集中講座にユーハイムから派遣された指導者の報告です
講座での報告書は別途冊子にまとめられ配布されました。

コーディネータは神戸大学の山口先生で発表者は5人で1人15分です

【報告1】ライプチヒ国際研修とスポーツ行政について
・ドイツのスポーツの組織は政治とは関係なく構成されているが、日本では政治と密接に関係している
・従来のスポーツ振興基本法が廃止になり新たな法律が制定されようとしているときに政権交代などがあり先送りされている
・今までは(自民党)トップアスリートを、これからは(民主党)地域スポーツを
・「行政とのパートナーシップ」が重要ではないか→県の基本計画に取り入れれないか
・全国3000あるスポーツクラブのうち兵庫県が800をしめる

【報告2】わが国のタレント発掘事業とひょうごジュニアスポーツアカデミーについて
(兵庫県教育委員会 東先生)
・タレント発掘事業は全国で11事業が行われている(個別の事業について紹介)
・最初に兵庫県でやらないかという話しがあったが二の足を踏んだ。その間に全国で先を越されて、やっと昨年度から始まった。
・先の成果が見えない事業をしていくのは行政では難しい
・岡山県では2009年度から予算が付かなくなったため事業がなくなった→行政がやっていくには制度的に問題がある

【報告3】ひょうごジュニアスポーツアカデミーにおけるタレント発掘プログラムの実際
(兵庫県体育協会 板場先生)
・兵庫県で実践している能力開発プログラムについて報告
・ボールギャザリング(発展としてミニハードルを入れたり、ケンケン限定だったり)

【報告4】ユースにおけるコオディネーショントレーニングの実際
(兵庫医療大学 賀屋先生)
・昔の遊びの置き換え、ドイツ、逆転の発想
・ユースへの利用法は頭を使う
・バトミントンを股下で返す、持ち手を反対に、テニスでも
・高校水泳指導現場からの報告
水泳全種目で反対向きに泳ぐ(動きを全く反対にして後ろに下がる)、なかなか使ったことのない筋肉を使う(週1回は実施)
ターンでも左回りの練習をしているので、右中左と入るが、左中右の練習もしておく
仰向けになり浮く→足が浮く→体のどこに力を入れると浮くかというのがポイント
コースロープの上から隣のコースに入り水中で姿勢を変えてもとのコースに戻る

これらの練習をしてからチーム全体が強くなった
・この学校は震災時に仮設住宅が建ち練習環境がなくなった→ルールを変えて練習すると良い
※水泳の実践練習の映像が驚きと感動、自分でもやってみようかなと思う。

【報告5】マスターズ陸上競技におけるコオディネーショントレーニングの実際
(神戸市立科学技術高校 船引先生)
・ほんわかテレビでの「アジア記録を持つスーパー80歳」を映像で流した
・この女性の練習方法や日常生活を紹介
・マイネル「スポーツ運動学」で老年期の運動系について書かれている
・壁を近くして投擲の技術練習をする
・乗馬マシーンに乗りながら体をねじる
※ちなみに船曳先生も、この女性もよく知っています。

【まとめ】
常に考えながら動く
幼稚園から高齢者、障害者、すべての人

・ジュニアスポーツアカデミーの関係者が多数おられたので、質疑で「アカデミーのメニューの詳細を選抜されない子どもたちや遠くの子どもたちなどに現場でも実践できるように公表して欲しいと」要望させていただきました。アカデミーメニューを実践できる指導者向け講習会でもあればうれしいと思います。そういう兵庫県オリジナルもいいのではないでしょうか。

以上でフォーラムの報告を終わります。

ライプチヒでの国際集中講座は公募されていますので、興味がある方は応募してみてはどうでしょうか。
私も行きたい気持ちはあるのですが、さすがに自分の意思だけではかなわないので何ともいえません。