• 一般社団法人の役員の任期は最長2年で再任できるので、1人法人の場合は役員変更については特に意識していなかったのですが、実は再任したときにも法務局に役員変更届(重任といいます)をしなければならないということに気がつきました。
  • 届けを怠ると過料を支払う必要があります。すでに、1年半近く経過しており、次の役員更新も近いので、次まで放置することも考えられますが、専門家の助言もあり、遅れて提出することにしました。
  • これについては、「一般社団法人の役員変更届(留任しても2年ごとに法務局への登記が必要)」の記事を参照してください。
  • 実際には、どれぐらいの届出遅れで、いくらぐらいの過料が課されるのかをネットで検索しましたが、非常に少なかったので、私の記事が役に立てればと思います。

過料が決定されるかどうかは裁判所次第です

法務局からは、届出を怠ったことを事務的に裁判所に通知するそうです。過料の決定がされるかどうかは裁判所が決めるので法務局ではなんともいえないといわれました。

変更届に要する費用は「1万円(印紙)」です。2年ごとに必要な金額は1万円ということになります。

私の場合は、2年以内なので、1回分飛ばしたことにはなっていないので、支払う費用は通常の届出と同じです。つなり、得したわけではありません。1期分怠ると1万円得したことになるので、少なくとも1万円の過料が必要なのは間違いないでしょう。したがって、私の場合は許してくれるかなと思っていました。

そして、2ヶ月経過して安心しきっていたところに裁判所から通知がありました。

通知書の内容

主文

被審人を課料金20,000円に処する。
手続き費用は被審人の負担とする

理由

被審人は、上記法人の代表理事に在任中、平成28年5月20日から2週間以内にすべき理事の重任登記を平成29年9月15日まで怠った。

適条

一般社団法人及び一般財団法人に関する法律第342条、非訴事件手続法第120条、第122条

↑通知書の内容を読みたい場合はクリックすれば大きくなります

※非訴事件とは、裁判所が処理する事件のうち、民事訴訟以外の民事事件のことです。判決ではなく決定という簡易な形式になります。

1週間以内に異議申し立てをしなければ確定します

注意書きにいろいろ書かれていましたが、1週間以内に異議申し立てをしなければ確定します。

確定すれば、過料決定日から1ヶ月後に納付告知書が送付されます。

手続き費用の負担

冷静に考えたら「裁判」をされたわけですよね。ということは裁判の手続き費用は負けた方?の負担。

ということで、「手続費用」の請求もあります。

手続き費用は、この通知書の送料82円です。裁判所に別途納める必要があります。

個人への過料決定なので、法人の経費にはならない

この過料は代表理事個人の責任です。したがって、法人の経費にはできず、自腹です。(泣き)

一般社団法人及び一般財団法人に関する法律違反事件

通知書のタイトルが刺激的です。法律違反事件です。「事件」ですよ。

法律を専門にしているのに「法律違反」してしまったという、恥ずかしくも貴重な経験でした。

1人法人運営している経営者にも機会があれば伝えたいと思います。

ちなみに「罰金」ではありません。刑事罰ではないですので、前科にもなりません。軽微なうっかりミスなどに課されるのが過料です。