一般社団法人の目的と株式会社等の会社の目的は微妙に違う

法務局のホームページに記載例が紹介されています
法務局トップページ>商業・法人登記申請手続
http://houmukyoku.moj.go.jp/homu/touki2.html

株式会社の定款の目的

(目的)
第2条 当会社は,次の事業を営むことを目的とする。
1  ○○の製造販売
2  ○○の売買
3  前各号に附帯する一切の事業要は営利事業をして利益を出すことが目的なのでシンプルに列挙します

一般社団法人の定款の目的

(目的)
第3条 当法人は,○○を社会に普及させることを目的とする。
(事業)
第4条 この法人は,前条の目的に資するため,次の事業を行う。
1  ○○に関する調査及び研究
2  ○○に関する広報活動
3  ○○に関する意見の表明

一般社団法人の登記申請の目的

目的
当法人は,○○を社会に普及させることを目的とするとともに,その目的に資する
ため,次の事業を行う。
1 ○○に関する調査及び研究
2 ○○に関する広報活動
3 ○○に関する意見の表明

これは上記定款の目的と事業を合体させた版になります。

ということは、そもそもの(目的)に(事業)を入れ込んで1条の文にしてもかまいません。

そのときの表題は(目的)だけでもいいですし、(目的および事業)にしてもいいと思います。

私の法人の定款は、単純に(目的)で合体版です。

定款に書いた事業以外の事業はできない(定款の変更申請が必要)

したがって、将来実施する事業を含めて書いておくことが重要ですが、何でもかんでも書いてしまうと、目的と矛盾することになります。どこが、会社と一般社団法人の違いです。

目的をかなり限定させてしまうと、事業も限定されてしまいますし、違う事業を書くと矛盾が生じます。

名称に合わせて目的をきっちり限定するのであれば問題ないですが、株式会社代わりに一般社団法人を選ぶと、目的が難しくなりますね。そのあたりを、ビジネスプランを考えながら決めてください。

事業の最後には必ず「前各号に附帯又は関連する事業」を記入しておく

要するに、これを書いとけば何でもありになります。

会社のように目的が営利事業活動ではないので、一般社団法人の目的を具体的に書く必要があります

より具体的な表現としては

当法人は、○○○○○○○ことを目的とし、その目的に資するため、次の事業を行う。

より詳しく書けば

当法人は、○○を通じて、○○の発展に寄与し、もって社会に貢献することを目的とし、その目的に資するため、次の事業を行う。

具体的に私の法人の目的を例にあげます

一般社団法人はりまコーチング協会 定款

(目的)
第3条 当法人は、子どもから大人までのすべての人に対して、個人の持つ能力や可能性を伸ばし、「なりたい自分になる」という自己実現の支援を行い、もって社会に貢献する人材を育成することを目的とし、その目的に資するため、次の事業を行う。
(1)消費生活相談の実務及び消費生活相談の資格取得に関する会員制ウェブサイトの運営並びに研修の実施等の消費生活関連業務支援事業
(2)スポーツ教室の開催及びスポーツ指導者の育成等のスポーツ関連事業
(3)起業家の支援及びマネジメント能力の開発等の人材育成事業
(4)組織改革及び事業改善並びに新規事業提案等の経営支援事業
(5)インターネットによる情報提供事業及び成功報酬型広告宣伝事業
(6)書籍及びスポーツ用品並びにトレンド商品等の物品販売事業
(7)前各号に附帯又は関連する事業

これで対象者をすべての人にして事業も基本的にすべての分野を網羅していることになります。

細かく説明すると、「社会に役立つ人材育成をすることが目的」として、(1)に専門事業、(2)にスポーツ事業、(3)に人材育成事業、(4)に経営支援事業(コンサルティング)、(5)ホームページに広告をはって報酬を得るアフィリエイトの事業(後で何か言われるといやなので入れました)、(6)に物販事業、(7)に何でもあり関連事業、としましたので、ほぼ何でもできることになります。

社会貢献的な目的を持った事業の例としてはNPO法人の20分野の活動

内閣府 NPOホームページ
https://www.npo-homepage.go.jp/qa/seido-gaiyou/katsudou-bunya

法に掲げられている特定非営利活動は、以下のとおりです。

別表(法第2条関係)
一  保健、医療又は福祉の増進を図る活動
二  社会教育の推進を図る活動
三  まちづくりの推進を図る活動
四  観光の振興を図る活動
五  農山漁村又は中山間地域の振興を図る活動
六  学術、文化、芸術又はスポーツの振興を図る活動
七  環境の保全を図る活動
八  災害救援活動
九  地域安全活動
十  人権の擁護又は平和の推進を図る活動
十一 国際協力の活動
十二 男女共同参画社会の形成の促進を図る活動
十三 子どもの健全育成を図る活動
十四 情報化社会の発展を図る活動
十五 科学技術の振興を図る活動
十六 経済活動の活性化を図る活動
十七 職業能力の開発又は雇用機会の拡充を支援する活動
十八 消費者の保護を図る活動
十九 前各号に掲げる活動を行う団体の運営又は活動に関する連絡、助言又は援助の活動
二十 前各号に掲げる活動に準ずる活動として都道府県又は指定都市の条例で定める活動

公開されている社団法人の定款を参考にする

自分の法人の事業と同じような事業をしている法人の定款がホームページで公開されていることがありますので、それを参考に作成するといいでしょう。

定款を専門家にチェックしてもらう

会社の場合は税理士や司法書士などの事務所が営利目的で定款の作成等を支援してくれると思いますが、やはり費用がかかります。

一方、NPO等のソーシャルビジネス(社会貢献事業)に関しては行政も力を入れており、支援団体も多いので、無料もしくは格安で、定款チェック等の支援をしてくれます。

私の場合も無料で支援していただきました。私の住んでいる兵庫県南部ではソーシャルビジネスの支援活動が活発です。